店長の「作業」と「接客」の画像マニュアル
画像2枚にまとめてあります。これはキッチンにある「目標設定カード」を貼るスクラップブックにもA4サイズの両面印刷をパウチしたものをはさんであるので店内でいつでも参照できます。
原稿執筆カフェ_店員マニュアルA面

原稿執筆カフェ_店員マニュアルB面

この画像にあることがほぼすべてですが、以下にさらに詳しく運営マニュアルにしておきます。(随時アップデート) マニュアルはあくまでお手本であり基本的な思想を共有できていればあとは現場でアレンジ、改良、最適化していってください。 オーナーと店長アルバイトの仕事
オーナーは毎日深夜や早朝にお店の備品や清掃状況を確認し改善します。店長アルバイトは営業時間中のオペレーションと環境維持を担当します。利用者が原稿執筆に集中できるような環境を作り出します。サービス業や飲食業はお客として利用してる時にはいろいろ気づくものですが、いざ自分が提供する立場になるとおろそかになってしまうことがあります。常に利用者の立場で空間全体に気を配り快適な環境を維持してください。一般的なカフェや飲食店と違い店長の作業量を限りなくゼロに近づける設計をしてありますので、受付と会計、進捗チェックのオペレーションに慣れてくれば業務時間の中で自分の執筆や創作をすることも出来るようになります。

「原稿執筆カフェ」は一般的な飲食店、カフェ、コワーキングスペースとはまったく違う考え方で環境をチューニングしています。クリエイティブな作業をしてる人にとって集中を阻害されるような要素を徹底的に排除することで利用者の目標設定をサポートする環境ビジネスです。集中を阻害される要素とは「店内での自由な会話」「キッチンでの作業音」「常連客とお店スタッフの親しげな会話」「寒すぎるエアコン設定」「遅すぎるWiFi」「貧弱なUSB充電ポート」「少なすぎる電源コンセント」「好みでもない店内BGM」「長時間いると感じる追加オーダーの圧」などです。

「原稿執筆カフェ」は受験勉強の頃に利用した図書館の自習室やそれぞれが自分の研究に没頭している大学のラボのような知的で静かな環境を人為的に再現します。利用者をクリエーターオンリーに限定するために「原稿執筆を目的にした人しか入場できない」という強い言葉で一般客の侵入を拒絶しています。待合せで時間を潰す、友達とおしゃべりするなどの用途には一切使えません。この強い拒絶コンセプトは中で創作活動をする人を外界のノイズから守るためです。そして店長はこの創作活動の結界を維持する「静けさの門番」であることを意識してください。
リモートキーによる入店
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営業開始30分前に発行されている4桁のリモートキーで入店します。数字を押して上部の「LOCKSTATE」ボタンを押すと解錠されます。ボタンが少し柔らかくて押してるのに押されてない場合もあります。耳をすまして押した時にピッと鳴っているか確認しながらゆっくり確実に4桁の数字を押します。番号を間違ってもそのリモートキーが無効になることはありません。施錠するときは
「LOCKSTATE」ボタンを1回押します。この時にカンヌキがしっかりドア枠に入ってロックされるかを目視で確認してください。環七沿いで風が強くドアが浮いているときなどまれにカンヌキが入らない場合があります。その場合はもういちどリモートキー4桁と「LOCKSTATE」ボタンで解錠作業をしてからドアをしっかり風圧で浮かないように抑えて施錠してください。 トイレの清掃
トイレは前日の代理店長と深夜早朝のオーナーチェックで清掃がなされているはずです。
以下の項目を営業開始前、営業中は1時間ごと、閉店後にチェックをお願いします。 □便器に汚れがないか?(→トイレットペーパーとアルコールで消毒)
□便座に汚れがないか?(→ブラシは右奥)
□トイレットペーパー予備はあるか?(→ストックはドア上の棚)
□ペーパータオルは補充されているか?
(→ストックはドア上の棚)
□ソープディスペンサーは作動してるか?
□アルコールディスペンサーは作動してるか?
□ゴミ箱は空になっているか?(出たところの燃えるゴミに捨てる)
フロアと店周辺の清掃
トイレドア横にあるほうきとちりとりセットでフロアのゴミを掃除します。お店の前も環七の風などで落ち葉や吸い殻が落ちていますので掃除します。集めたゴミはトイレドア前の燃えるゴミに捨てます。 オーニング(赤い日除け)のセット
オーニングを引き出す長いクランク棒はオーニングにつけてあります。クランク棒を回しながらオーニングを引き出します。最後まで引き出すとオーニングがたるみます。たるんでいると雨やゴミなどが溜まってしまうのでクランクを逆回転させて戻しオーニングがピンと張った状態にします。オーニングは日除けが主な機能ですがテラス席を稼働させるために雨の日も引き出します。雨の日に引き出して使った場合に乾かないうちに戻してしまうとカビが発生します。雨の日に引き出した場合は乾くまで格納しないでください。閉店後も雨が降っていたりオーニングが乾いていない場合は引き出したままの状態で帰って構いません。
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テラス席とA看板のセット 室内に格納してある2つの丸いテーブルと3つの籐の椅子を出してテラス席を写真のように作ります。椅子は外向きに向けておきます。室内の利用者の共有スペースとして喫煙やテレビ電話会議、気分転換や雑談、打合せのために使います。レジ前の窓の下にあるウッドワゴンに灰皿があるのでテーブルに置いておきます。 IMG20220415105638 A看板とは横から見るとAの字に見える飲食店などによくある黒板で出来た看板のことを言います。これを「OPEN」ランプのあるあたりに写真のようにセットします。高円寺方面から歩いてきた人に見えやすい角度にしましょう。A看板は重りがないので強風の場合は倒れることがあります。風が強い日は折りたたんだままOPENランプの下くらいに壁にもたれさせておいてください。

すべての座席と椅子の消毒
テラスと室内にあるすべてのテーブルと椅子をアルコール消毒します。カウンター内の水道上に使い捨てのダスターがあります。アクリル板なども汚れがあれば拭き取ります。
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ドリンクコーナーの補充
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フリードリンクコーナーをレジ横にセットしてあります。ミネラルウォーターはレジ下にストックがあります。利用者が空のボトルだけになった時に困らないように常に2本のボトルを置いておきます。ドリップコーヒーや紅茶、緑茶などのパックが十分あるかをチェックします。
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コーヒーや紅茶のストックはキッチンの奥のグラスがある棚の下のプラボックスにあります。前日に洗って乾かしているマグカップをキッチン奥の洗い場から持ってきてトレイの上にセットします。マグカップは12個あります。10席が満員になっても足りるはずです。(マグカップは口が広すぎてドリップコーヒーが作りにくいのでガラスコップに変更しました)
空調と換気
換気について:キッチンの換気扇は24時間回しています。レジ上のカウンター棚に左右回転するサーキュレーターがあり24時間稼働させています。ドア上にはLEDライト付きの簡易サーキュレーターがありエアカーテン代わりに作動させています。音がうるさいと感じた場合はリモコンで風量を調整してください。レジ横の2つの窓は上下に鍵があります。これを外して開放します。下だけを施錠して開けようとすると上の鍵が壊れてしまうので気をつけてください。店舗のドアも開放しておきます。閉店時はドアが閉まっていても看板が見えるように額縁がセットされていますが開店してドアを開放させるときは店名の額縁を反転させてドアのアクリルの溝にセットし上部をフックにかけてください。ドアや窓をどれくらい開放するかは店長がその日の気候や室温、室内の二酸化炭素メーターで判断してください。 エアコンについて:レジ横の冷蔵庫の右に天井埋め込みエアコンのコントロールパネルや各種リモコンが設置してあります。エアコンは液晶部分が古くて見にくい状態なのでその下にある丸いLEDライトを当てて状態を確認するのがよいでしょう。エアコンの温度はフロアの中心(三角地帯の中心)で適度な温度になるように調整してください。エアコンの24度でフラップを固定の風量が弱が標準的なセッティングです。
ネット予約の確認
レジのiPadでホーム画面にある「予約カレンダー」のショートカットをタップするとAirリザーブの予約カレンダーの今日が開きます。パスワードが要求されたら端末のベゼルにあるテプラを参照してください。(数時間使っていないと自動でログアウト処理されます)

カレンダーにある予約の帯をタップすると詳細が見られます。「目標設定カード」の部分に「お名前のフリガナ」と「予約開始」「予約終了」時間を転記します。「窓際」は席順にW(ウィンドウサイド)「カウンター」はC(カウンター)を記入して黒い伝票ボードにはさみレジ前の窓際に並べます。長時間の人同士が並ばないように席順を考えます。例えば窓際カウンターではW4とW8に長時間利用の人を配置しW5とW7は短時間の人を入れます。これにより長時間利用の人の左右の出入りを最小限にするとともに長時間利用の人がずっと隣り合わせになることを防ぎます。
来店からご案内の流れ
ネット予約の人が来店したら「ご予約のお客さまですか?お名前をお願いします」と聞いて自分が予約カレンダーから転記した伝票を確認して席に案内します。ふらりと来たお客さんにはネット予約でキープしている座席以外の空席をご案内します。「今ですと、こちらとこちらのお席が空いています。どちらになさいますか?」など選択肢がある場合はお客さんに選んでもらいます。選択肢がない場合は「こちらの席になります。よろしいでしょうか?と案内します。

席にお客さんを案内したら「利用規約と目標設定カード」をクリップボードにはさみボールペン(太さ1.0)と共にお渡しします。

「こちら利用規約と目標設定カードです。利用規約をお読みになりご理解いただけましたら各チェックボックスにチェックを記入願います。その下のアンケートもご協力いただければ幸いです。動物に関しての項目がありますがオーナーが営業時間中に小型犬を連れてくる場合があるのでお聞きしています。目標設定はなるべく具体的な文字数やページ数を目標作業時間と共にご記入ください。進捗確認はマイルド・ノーマル・ハードからお選びいただけます。主に進捗確認の頻度が変わります。そこから下は店員が記入しますので空欄で結構です。記入が終わりましたらこちらにお持ちください。」

と説明がおわったら店長席に戻ります。


「では、店内設備を簡単に説明させていただきます。お荷物はこちらの座席下にあるカゴをお使いください。上着は椅子の背もたれか、こちらにありますコートハンガーにおかけください。電源は足元のここにありますのでご自由にお使いください。WiFiのパスワードはこちらに貼ってあります。こちらは傾斜角度を自由に変えられるノートパソコン用の空冷スタンドです。上部にあるダイヤルで風の強さを変えられます。必要ない場合はおっしゃってください。トイレはあちら奥にあります。外のテラス席はテレビ電話やお食事、気分転換の休憩、喫煙などに自由にお使いください。ドリンク
コーナーはレジ横にあります。お湯が湧いていますのでご自分でドリップコーヒーや紅茶・日本茶をお楽しみください。コールドドリンクやフードはありませんのでお向かいのローソンで購入してください。外出するときに声をかける必要はありません。自由に出入りしていただいて結構です。何かわからないことや質問がありましたらお気軽にどうぞ。バックヤードにいる場合もありますのでその場合はドア横の呼び鈴でお知らせください。」

「今日の目標は『原稿3000文字を3時間で書く』で進捗確認のご希望はノーマルですね?がんばってください!応援します!」

と目標設定と進捗確認の頻度を声に出して確認します。

ここではそこに書かれていること以上の内容やジャンルに関して絶対に踏み込まないでください。利用者の方が自分から作品のことを説明しない限り店側から聞かないでください。これは創作活動という繊細な作業をする利用者と店側が一定の距離を保ち持続可能な関係性を維持するために絶対に必要なことです。代理店長はこの原則を厳守してください。

説明したら店長席に戻ります。ここまでが入店から目標設定の記入、設備案内のワンセットです。

進捗確認
進捗確認は原稿執筆カフェのコアサービスになります。私達は利用者の上司ではなく利害関係もありません。この完成製のなさがキーになりますので執筆している原稿やコンテンツの中身に触れることなく「作業目標」にある内容の進捗だけを確認します。例えば「3000文字の目標ですね?いま何文字くらい書けましたか?」「企画書のパワーポイント20ページが目標ですね?いま何ページまで進みましたか?」など。そこで利用者が返答したら「半分進んだんですね!よかったです!あと半分がんばってください!応援してます!」などポジティブな言葉で残りの作業を応援するようにします。進捗確認のマイルドは利用者が「完成しました!」と言ったら確認しにいく程度で作業中はほとんど声をかけなくて大丈夫です。ノーマルは1時間ごとの進捗確認。この1時間をまじめにやりすぎると大変なのでおおむね毎正時にフロアをまわりノーマルの人に声をかけるようにしましょう。ハードの場合は30分に1回程度の進捗確認を行います。ただ30分ではあまり進まないことも多いので正時に声掛け、毎30分はうしろにたって画面を覗き込み存在で圧をかけていくなどしてください。

完成確認と精算
進捗確認で「もう終わりそうです」などの返答が得られた場合は「完成したらお知らせください!」と伝えます。「完成しました!」と利用者が手をあげたり店長に言いに来た場合は「ではレジで精算いたします」と案内します。

「目標設定カード」の時刻(Finish)に現在時刻を記入し開始時刻(Start)との差分が何時間かを記入します。単位は時間(h)なので3時間12分だったら3.5h、3時間40分だったら4.0hとなります。精算の最小単位は0.5h(30分)です。

レジのiPadで「Airレジ」のアイコン(青い三角形のおにぎりみたいなやつ)をタップします。「原稿執筆カフェ」をタップすると右に時間ごとの料金ボタンが出るので利用時間をタップします。カウンターは30分240円、テーブル席は30分360円で30分刻みの料金が登録されています。タップするとその項目が左に追加されます。間違えたときはこの左に追加された項目を左にフリックすると赤くなり項目を削除できます。

レジの前にはPOPで使えるキャッシュレスシステムの一覧があります。「決済方法は何になさいますか?」と聞いて選んでもらってください。利用率が多いのはSuica・PASMO・PayPay・クレジットカードです。

Airレジで「お会計」を押すと次は決済手段の選択になります。利用者が希望する決済手段を選択して次に行きます。QR系以外はすべてドロアーから有線で接続されているテンキー付きのリーダーを使います。コンビニのレジのようには反応が早くなく少し待ち時間が発生します。リーダーを指して「こちらに金額が出ましたらテンキーの上からタッチをお願いします」「テンキーの下からクレジットカードを挿入願います」など案内します。クレジットカードの場合はリーダーにカードを指してからしばらくするとAirレジに「暗証番号をどうぞ」と出るので「4桁の暗証番号と最後に緑のボタンを押してください」と案内します。決済承認が終わると「カードを抜いてください」と出るので「ありがとうございます。カードを抜いてください」と案内します。暗証番号を忘れたという場合はサインに切り替えることが出来ます。テンキーの緑のボタンを2回押すとタブレットがサインのモードになります。iPadを利用者側に向けてそのままサインをしてもらいます。タッチ対応のクレカにも対応しています。クレカにWiFiマークのようなものがついている場合はテンキーの上からタッチすると決済が終わります。

どの決済手段を使ってもレジの下にあるドロアーからレシートが出ます。最初に決済の明細、次にレシートです。「レシートではなく領収書をいただけますか?」と言われた場合はAirレジの画面に出ている「領収書発行」を押して「スペース利用料」を選択して「発行」を押します。加盟店控えは保存する必要はありません。ゴミ箱に捨ててください。ここまでで精算は終了です。
オリジナルステッカーのプレゼント
レジの精算が終わったタイミング、もしくは利用者の送り出しのタイミングで「原稿執筆カフェ」のオリジナルステッカーをプレゼントします。初回の利用者には「英語シール」5回目の利用者には「日本語シール」です。これは直径4cmのステッカーで再剥離のりを使ってあるのでノートパソコンやスマホケースに貼っても剥がせます。 ヘビーユーザーのプレゼント
ステッカーは1回目と5回目の利用時のプレゼントですがその後さらに10回、15回、20回などのヘビーユーザーには「デスク席3時間無料券」をプレゼントします。青いパウチしたカードがあるのでそれを渡してください。利用期限はありません。 お客様のお見送り
レジが忙しいときは精算時に「ご利用ありがとうございまし!お疲れ様でした!」で大丈夫です。少しコミュニケーションする時間がある場合はレジから出ながら利用者を見送り窓から「お疲れ様でした!またのご利用お待ちしています!」と声がけします。

店長の作業スペース
店長の作業スペースはレジ横の窓のスペースやキッチン内を基本としていますが、あまりお客さんがいないときは客席で作業しても大丈夫です。使用した席をお客さんに譲るときは必ずテーブルと椅子をペーパータオルでアルコール消毒してください。レジ横の機材室にはキャンプチェアがあるので利用者から見えないところでひと休みすることも出来ます。受付と精算は同じ時間帯に重なることが多いので忙しいこともありますが利用者の原稿執筆が始まると図書館や美術館の係員のような立場になります。静かに見守り時々進捗確認します。